常連と新規のバランスはどう取る? 海南「kaisin」から学ぶ遊漁船経営のヒント (海南市)シロアマダイ クログチ 2025年

幻の魚とも言われるシロアマダイを釣りたくなり、いろいろとホームページを探していたところ、久しぶりに和歌山県海南市の遊漁船「kaisin(海神)」さんを見つけました。
今回の釣行は、シロアマダイとクログチのセット便という、なかなか豪華な組み合わせ。
釣り場も離れているため、燃料費高騰の中では船長にとってもチャレンジングな設定だと感じました。
一方で釣り人からすると、タックルがあれば挑戦したくなる魅力的な内容です。
タックルや仕掛けの自由度と船長の姿勢
シロアマダイは天秤仕掛けが基本とのことでしたが、「アマラバ」でも可能という説明を受けました。
そこで「ホタルイカをエサに使っても良いですか?」と相談したところ、問題ないとの快い返答。
ルアー専用の遊漁船ではエサの使用が禁止されていることも多いですが、kaisinさんのように柔軟な対応をしていただけると、釣り人の満足度も高まります。
方針を明確に説明したうえで、双方が納得していれば特に問題は起こらないと思います。
シロアマダイ資源への配慮
船長はシロアマダイの資源管理に高い意識を持っておられ、「終日通してこの魚だけを狙うことは避けている」とのことでした。
確かにシロアマダイは根付きの魚であり、同じポイントで集中的に狙いすぎると、資源が枯渇してしまう可能性があります。
明石のマダコや琵琶湖のビワマスなどの例にもあるように、資源管理を徹底すれば魚は再び戻ってきます。
シロアマダイのような貴重なターゲットでも、ぜひ継続的な取り組みを期待したいところです。
結果としてそれが、遊漁船ビジネスの長期的な安定経営にもつながるのではないでしょうか。
出船時刻・集合場所と設備
当日の出発は午前6時でした。出発時間が事前に決まっている場合は、30分〜1時間前には港に到着しておくと安心です。
この日は出港15分前に、船長が港のゲートを開けに来てくださいました。急ぎで準備を進める必要もなく、ややゆとりを持って対応してくれる船という印象です。
また、「kaisin」さんの船着場は海南ICから車で3分程度とアクセス抜群。この立地はかなりの魅力です。
船も大型でゆったりしており、この日は日曜日ながら7名で満席ではなかったため、快適な環境で釣りを楽しむことができました。
釣り座決めと現場の雰囲気
釣り座については、乗船後に決める形となりました。皆が船に乗り込んでから「どうやって決めるのかな?」と思っていると、常連の方が仕切ってじゃんけんで決定。
とはいえ、本来は荷物を積み込む前に釣り座を決める運用の方が、動線的にも効率的だと感じます。
二度手間を防ぐ意味でも、今後の運営改善ポイントかもしれません。
当日の釣果と釣行展開 シロアマダイのポイントに到着してからは、同じエリアを何度も丁寧に探り直す姿勢が印象的でした。
潮の流れを見ながら柔軟に対応し、最終的には加太方面まで大きく北上してクログチを狙う展開へ。
こちらでは、見事にポイントにピタリと合わせて入れ食い状態。
さらに、おそらく時間も延長してくださったようで、船長のホスピタリティを感じました。
船の雰囲気と常連客の存在 「kaisin」さんはアットホームな雰囲気が魅力の遊漁船で、自由度の高さも特徴的だと感じました。
常連の方々は明らかに「kaisin」さんに深い信頼と愛着を持っておられるようでした。
遊漁船の経営で難しいのは、常連さんとの付き合い方だと思います。
常連を優遇しすぎると新規のお客様が離れてしまう一方、常連も大切にしなければ経営が成り立たない——このバランスは非常に繊細です。
理想論かもしれませんが、常連さんが新規のお客様に気配りができる船は、自然と評価が高まるように感じます。
常連さんが「自分の釣果」だけでなく、「ひいきの船の経営」まで考えてくださるような関係が築ければ、それは素晴らしいことですが、やはり理想論に近いかもしれません。